今回の記事は、私がきりもりしているSNSと繋がってくださっているすべてのクリエーターさんと、そのフォロワーさんとに向けて書いています。
SNSの世界で…
たとえばここ昨今だとアクティブなのはtwitterとかfacebookとかinstagramとかtumblrとかで (もっともっと星の数ありますが)ある日あるとき突然に
制限を受けたり、発言や画像を削除されたり、アカウントを停止されたりするのは、
本当に頭にきます
映画アバターで、当初は任務として単にアバターの世界に入りこんだ主人公が、最終的にはアバターのなかで部族の未来をかけ戦い、生きることになるわけですが、
わたしたちも、SNSのなかで日々、投稿したり、相互さんや見も知らぬどこかの人たちとやりとりしているうちに、自分のアカウントは自分の顔であり書き込みは声であると感じるようになるのではないでしょうか。
そうしたなか、制限を受けたり発言を削除されたりするということは声や顔を失うことであるし、ましてアカウント削除されるというのは、抹殺されるに等しい怒りと痛みがともないます。
(少なくとも、私は、そうでした…)
それは、限りなく、不条理な。理不尽な。精神的に「くる」感覚
今回このブログでテーマにするのは、SNSアカウントに存在している本当は恐い規制とそこで生きながらえるための対処法についてです。
もし読み進んでいくなかで、嫌な感情や、しっくりいかないようなネガティブな気持ちを抱いた場合は、読むのをやめていただくのもひとつの方法です。
また、これは私があくまで見知り体験してきた情報をもとにして書かれており、これを読んだ人の神聖な作品世界を汚すものでは「絶対にありません」。
ぜひ、単に「とある猫井が七つの海を(飛行機であっさりと)渡り、収集してきた情報が書かれているもの」として読んでいただいたり、SNSでのありかたの参考にしていただければ… と思ってます。
私の目的はただひとつです。
みんなで、このまましばらくずっと、楽しく交流を続けたい。
自分たちが作る作品を、広く知ってもらいたい。入手してもらいたい。
いつでもクリエーターさんたちの素敵な絵や作品情報や愉快なニュースや間抜けな動物動画を眺めていたい。
ただ、ただ、それだけなので…。
規制のかなしみ
実際に入る前に、漫画家千之ナイフと、それを手伝ってきたわたし猫井の、長きにわたる「規制の歴史」をちょっと知っていただきたいと思ってます。
80年前後、エロ漫画誌にはある突然変異が起こりました。
それは俗に、美少女漫画/ロリコン漫画 ブームと呼ばれています。
1981年に、千之ナイフは漫画家としてデビュー。その後に猫井も同じマンガ雑誌でデビューしました。
私はえちえち漫画を描く才覚がなかったので、やがて漫画レポートや企業まんが、カットの世界にスイッチしながら、千之ナイフのバックアップにまわりました。
信じられないかたも多いと思いますが、千之ナイフあたりが出てくるまでのエロ系漫画誌のヒロインは、劇画が主体で、見た目年齢も下の例のように、非常にアダルトでむっちりムラムラな感じでした。
(それ系官能劇画に興味があるかたは先人の著述物をごらんください。漫画を楽しみ伝えていくうえで欠かせないものだと思っています。)
そんななかで、アニメやゲームのような頭身の低さと「若い」顔面配置のキャラクターをもってデビューした千之ナイフ系列の漫画家を多く載せた雑誌は、当初「あまりにも異端」でしたが、 それが2倍に、 やがて4倍に。
そしてあっという間に、多くの雑誌がアニメや少年誌とほぼ同じ絵柄のエロで埋め尽くされたのです。
(手前味噌ですがこちらの千之ナイフの自選集は、81年デビューから85年までの特異な作品世界を中心に書きおろしとあとがきを加えての構成。カオティックな「当時」の資料の要素もあるユニークな仕上がりとなっています)
さて…「それ」は80年代後半に突然おきました
「てっきり普通の漫画だと思っていたらけしからん内容だった」というのに(十年後に、いまさら?)驚いた大人たちが、「この状況をそのままにしてはいけない」とか言って動き始めたのです。
その結果、千之のとある漫画は、発売後一週間で発売禁止に追い込まれました。(いまはちゃんと購入できるので、気になった人はこちらでご確認ください…あっ!そういえば最近このシリーズはKindleで発禁になっちゃったよ。悲しい~)
その時、少なくとも私は、親しい人の作品が生まれて一週間で死んでしまったような感じがしました。
大人たちはすごい勢いでまんがを「区別」することを要求し、その結果、今日わたしたちが普通に眼にしている「成人」「18R」という記載が生まれ、浸透していきました。
それ以降、18Rとして囲われた世界のなかで、わたしたちはのびのびと過ごし始めたのかもしれません。
しかしこの囲いは、どの時代でも、かぎりなくあやふやで、囲われている
ようないないような、そんな不安定な状況でわたしたちはずっとずっと成人向けの作品を描き続けてきたような気がしています。
そんな私が、その「囲い」が、非常に不安定かつ不規則なので困ったもんだよなぁと思っているのが、今回テーマとして挙げるSNSの世界です。
なにをもってセンシティブな投稿とし、なにをセンシティブでないものと言っているのか。
そしてなぜ成人向けにしたのに削除されるのか。
それらの指針は一切が隠されたままで、ルールには限りなくあいまいな言葉ばかりが並んでいて、そして時期によってもコロッコロルールが変わります。
削除する、制限をかける向こうにいるかもしれない人間の裁量によっても変わる可能性があります。
そして会社はそういった規制のことでどれだけ人を傷つけても、混乱させてもいいんです。
「いやだったら利用しないでくださいね」 を合言葉に。
人が介在していない可能性もあります。(昨今一部のSNSではAIによる画像判定が試みられているという情報があります。ただし誤爆がとても多く、まだまた試用段階かと推測されます)
それでは、どうしたら自分たちはSNSの規制からできるだけ逃れることができるのか。
そのため最もヒントとなり得る情報のひとつとして、アメリカにおける表現の規制があります。
理由は、現在日本国内でアクティブなSNSの大部分が、アメリカに本籍を置くか、もしくは税金逃れのため海外のアメリカ以外の経済特区に移籍していても、もとはアメリカで設立された会社。であるから。
突然ですがここでクイズです。
アメリカのとある場所で、子供から大人までの漫画ファンが広く集うイベントが催されることになったとします。
そのキービジュアルのポスターを、とある作家が依頼されたとします。
そのなかで、描いてはいけないものはどれと、どーーーれだ?
・GUN
・ナイフ
・ガイコツ
・悪魔
・ナチスの制服
・ぶりんぷりんナイスバディの紐ビキニ&紐ブラの女性キャラ
正解はどれもだめです。
(悪魔やぷりんぷりんのナイスバディがラムちゃんとかヴァンピレラとか既成のキャラである場合に限り、大丈夫な場合があります。)
(ちなみにゾンビはセーフです。理由は生物学的にはありえないこととされているから。ただし縫い跡、腐れ落ち人体の部分的欠損の描写などがリアルだった場合、問題が生じるかも)
ちょっと驚いた人もいるかもしれません。それらはアメリカにはごくごく日常的に満ち溢れていると我々日本人が思っているモチーフばっかりなので…
アメリカの表現規制は、日本人のわたしたちから見ると驚くほど制限され管理されています。
とくに未成年がかかわるものに対しての規制には、「なにもそこまで…」と眼を見張るほどのものがあります。
アメリカの漫画ファンの間でも、規制と表現の自由との問題は、イベントでもっとも熱く語られている議題のひとつです。
アメリカ社会が未成年に対しもっとも規制しているものトップ3は、
暴力 S:X レクリエーションとしての薬
だと思います。
未成年が関わってしまう上記の3つに関する事件が多く、それをできるだけ防ぎたい…ということの現れかもしれません。
80年代に私たちの作品を一週間で発禁にした大人たち。
彼らと同種の人間の「正義/世論」が、現役で根強い発言権を持ち、支えている国。
そう考えることもできるでしょう。
(これらの人々がどういう流れで出現し発言権を持つようになったのか、アメリカ社会にどういった影響を及ぼし続けているかは、私個人が語るには濃すぎる課題なのと、アメリカ史も含めて専門的に分析している専門の人がいますので、それらをひもといてアメリカという複雑な国を見つめるのも面白いかとおもいます。私がここにリンクさせいただいた記事日本人が知らない米国「保守派」の本当の顔や、以下の本はアメリカの現状を知るヒントになりそうな著作ですが、私はそれぞれの趣旨と主張に全面的に賛同するものではありません。)
ちなみに漫画規制の話ですが、だれか、少年ジャンプに詳しい人!
私は現役で読んでた雑誌が大昔でそれも少年チャンピオンなので、あまりしっかり語れないのですが、いまから20年前~現在にいたる少年ジャンプには、銃を撃ちまくる漫画って載ってますか?
また、ストーリー的に女性や子供を激しく肉体的にダメージ負わすような作品は載ってますか? 私は、載ってない気がしています…
もし載ってたとしたら、その漫画だけアメリカに輸出できないと思います。
ジャンプはドラゴンボールの大ヒット以降、海外進出をひとつの大きな経営戦略に置いているようなので、「ジャンプ独自の自主規制」をかなりアメリカの規制に寄せて行ってる可能性があります。
「アメリカの若年読者がとても好きなバトルものを提供する」なかで、自然銃刀の出てこない肉体&力技の世界としてドラゴンボールは非常に安全かつ主戦力になりえる素材でした。
ドラゴンボール以降はナルトが大ヒットして、いまでもすごい量の翻訳版が世界中で出てます。
ほんとうの手裏剣や刀は(日本国内もですが)アメリカで入手しづらいので、どれだけアナーキーな戦いであっても安心して読めるし規制する必要もない。
ジャンプは今後も、魔物や魔法といったこの世にあると実証されていない架空の世界観や、和風のアクション(=安全なエンタメ)といった、「安全な世界観」に、いっそう力を入れ続けるだろう…と、猫井ビジネス脳は分析しています。
(余談ですが、国際間の事情により、今後しばらくは欧米における中華モノは影を潜める可能性が大きいでしょう。実につまらない話です。)
(ちょっと脱線しますが、パフューム以降の、たとえばメタル系の曲でやってるグループ等、日本のダンスユニット系列のアイドルグループは、すごい勢いで海外にも進出していっていますが、私は何度か個人的に欧米の人に「 あれは日本では未成年就労にあたらないのか?」と質問されたことがあります…それくらい「未成年」に対する欧米世間の目は厳しいという話です)
そんなこんなでかなり長く書いてきましたが、アメリカの目の玉飛び出るほど厳しい規制状況を把握いただいたということで、SNSのルールについての推測に進みます。
さっきのクイズを通してアメリカがどんな絵のモチーフを最も避けたいか、それはなぜかを書いたのですが、私はSNS各社も、上記とほぼ同じようなルールを投稿に対して適応していると推測しています。
具体的にいうと、
「暴力 / S:X / レクリエーションとしての薬」をできるだけ未成年から遠ざけること…それを目指していると思うのです。
「そのあたりはしっかり気を使って、自分の投稿は『センシティブな内容を含むもの』として設定している」「未成年は禁止と明記していた」「なのにアカウントに制限を受けてしまった」という人もいっぱいいるとおもいます。
おそらく『センシティブな内容を含むもの』に設定したなかでも、やると制限を受けることをやっている可能性があるのだと推測されます。
(たとえば、アメリカにもアダルト専用ショップや飲食店がいっぱいあり、アダルト専用のコンベションや展示会があります。イベントの写真など見ているとギリギリなコスチュームなどもありでえらく自由なイベントのように思えますが、それは写真だけです。会場では、実際のタッチ、サービスの提供など、やってはいけないことがめちゃくちゃ厳しく管理、制限されています)
それをどのSNSの会社もしっかり書いてくれない。
そうしてユーザーだけが口をふさがれ、困惑し、傷つき続けているのです。
それでは、どうやって自分の作品をお知らせしていったらいいのか。
または、どういう形で、作家さんを応援していったらいいのか。
それらは各自が、そして千之の作品を預かって販売してる猫井が、今後も考え続けなければいけない課題…ではもちろんありますが、猫井は結論が出ていない問題に対してでも『考えてみる必要がありそうですね…』みたいなテキトーなシメで番組を終わらせるのがとてもイヤなので、現在SNSをやる際に私が気をつけているポイントを書いていきます。
作家としては絵を投稿するとき、ファンとしては作家さんの絵をシェア(拡散)するときに気をつけているポイント
まず、普段から気をつけていること
不特定多数の外国語圏の人とノリでリンクしないようにしています。
相手さんの紹介文はできればチェックして、どういう趣旨の人か調べてからにしています。
紹介文が書かれていなくてIDがグダグダの英字配列の人とは繋いでません。
(単に日本のえちえち画やえちえち動画をシェアしまくってお気に入りエロラインのようなものを作って喜んでいるエロガキの場合、抹殺の手が伸びてきたとき類爆をくらう恐れが)
グラフィックの投稿
(ストーリーや趣向上、私が運営しているコンテンツとはあまり関係ないものも挙げてあります)
バイオレンス「暴力、強制している/されているように見える」「洗脳や薬剤を盛られて不本意なことをさせられているように見える」「嫌そうな表情の」=意にそぐわないことをさせられている/強要されているように見えるグラフィックを投稿しない(同意がない=暴力のセンサーの危険←最大要注意)
露出「バスト丸出し」「パンツはいてなくって本来パンツで隠れている部分丸出し」「さらにそこに何か不思議な棒状の物体が乗ってたり挟まっていたりする」「なぞめいた水分が飛びちっている」ように見えるグラフィックを投稿しない(丸出し表現禁止センサーの危険←大要注意)
(部分だけ海苔や☆での修正は、印刷会社や配信会社、イベントではOKですがSNSでは効果ないという可能性も)(透け透けなので丸見えというのも避けてます…OKという補償がないので…)(ターゲットは男性対象でも女性対象でもその他対象でも生物対象であればどれでも対象になります。)
上の↑バイオレンスか露出どちらか系統のグラフィックにおいて、
アンダー18「キャラクターが幼い顔立ち」「キャラクターが通学用帽子やランドセルといった児童専用のものを身に着けている/ミニスカ、ツインテなど欧米保守目線で考えたとき子供っぽいファッション(児ポセンサーに抵触する危険←最大要注意)
民族「キャラクターが褐色」(一部の民族への差別/言及/主張センサーに抵触する危険)
軍「ミリタリーや警察が舞台」(特定の政治/思想のあるグループへの差別/言及/主張センサーに抵触する危険←要注意)
このあたりにも留意することにしています。
こういうことを心がけているため、私たちが作っているけしからん同人誌はほとんどページの掲載できてない状態です、わっはっは←やけくそ笑い
投稿するものを自ら管理して制約をかけることは、フォロワー数の減少にもつながります。
ですが、ただただエロネタをタイムラインに集めてる1万人のコドモかもしれない匿名フォロワーよりも 、学ぶべき素敵な技術を持っているクリエイターさんや、次の新作を実際に見てくれるかもしれないしっかりした人たち3000人とつながることを目標にしてもいいのではないか
… 個人的には私はそう考えているところです。
再度かきますが、これらは「作家さんの絵柄や作品世界にどうこう言うものでは絶対にない」ということだけはご理解ください。
いやな思いをするのを避けて、活動を続けるためにどうしたらいいのか、そのことだけを目的に書いています。
ほんとに今度生まれるときは、お花畑でエロエロな絵を描いて、見に来る人におやつを貰って暮らしていきたい。
「なぜ我々はこんな船に乗ってしまったんだろう」と暗澹たる気持ちになりますが、現在私たちは気が付いたらアメリカ製の船に乗っていたわけです。
生き抜いて…そして出会って…
楽しみましょう。
今回は話題的にも重くやるせないものなので、なにもかもを吹き飛ばすおやつを貼ってスポンサーとさせていただきます。
+ - + - + - + - +