あ、今回のことは絵/トレスに関してただただ自分が思っていることをまとめたものです。
ネットの海はサルガッソー。宝物を発見したり、宝物だと思ってたら幻だったり、燃えさかる島があったり…
何度も何度も、炎上しては消え、また炎上するトレス/模写問題。
じつは最近も、とあるイラストレーターの人がぼうぼう燃えました。
猫井が今回、皆さんの反応を読んでいて、思ったことは
・「トレス/模写」の違いがあやふやなままいろんなことが語られている
・画を描く/描きたい人の反応で、「(販売用としてでなかったら)(作品と公言しないのだったら)トレスで練習する/したい」 といった話が見受けられて、「トレスで練習したって意味薄いのに」と思った
それでたまたまですが、自分が手掛けている七つの仕事のうちのひとつが「絵の先生」なのもあって、トレスが絵の練習としてありかなしかということに関して、常々考えていたことがあったので、それをまとめてみました。
まとめることによって、トレス(左)と模写(右)の違い、
模写にあって、トレスにないものは何なのかも浮上してきました。
この、「模写にあって、トレスにないもの」…
それが、絵をやるうえでいっちばん大事なのではないかとおもうのです。
現に、猫井が基礎の基礎の基礎の基礎をやっている教室では、
その「なにか」を会得してもらうために、手を変え品を変え、ありとあらゆる手だてを使って、これでもかこれでもかと練習を繰り返してもらってるといっても過言ではないのです…。
絵を描き始めた人たちが、「3Dデッサンをトレスしてみて描いてみた!」絵や、既存のしっかりした絵を「トレスしてみた」作品が、どこかアレ???なのは、この「なにか」がまだまだ足りないのではないかと思う。
現在ぼうぼう燃えているイラストレーターさんも、もとは単に「好きで」、絵を描きはじめた人だと思うので、
クリエイターのひとりとして、この「なにか」を探して、これからもずっと絵を描いていけばいいんじゃないかなぁ、などと思っています。
猫「絵の勉強うんぬんにおけるトレスに関する個人的な見解」をまとめると、
トレスというのは、塗り絵と同じようなものではないかと思うのです。
塗り絵によって、色の置き方や画材の使いかたを研究することができるし、絵に親しむこともできる。けど、絵がうまくなるというものとはちょっと違う。みたいな。
上のイラストの補足をいくつか。
・トレスは「線の練習」としては有効です。
・トレスはお好みの絵を描いて楽しむ場合、「趣味」として有効です。
あと…ちゃぶ台ひっくり返すような発言ですが、
今回のって画力を上げるには、という論点で話をしてみたんだけど、そもそも画力を上げるのがいいか悪いかで言うと、
・ギャグ漫画の場合、「おかしな絵」のほうがかえって面白いこともあるよね!!!
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今回の勝手なスポンサーは、いまから20年以上前、猫井が先生の世界に足を踏み入れたときに紹介してもらった本。
「右脳」というキーワードがちょっとトリッキーですが、ここに書かれて/描かれている「絵がうまくなりたいとき、何をするべきなのか」というテーマは、絶対にゆらがないと思います。
すごくいい教則本なので、絵にかかわる人におすすめです。
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