ホテル・リッツのナポリタン

 

スパゲティが好きすぎて、スパゲティを食べたいとき食べれないと、泣き始めるようなおばかな子供であった。

 10歳の頃の私です。

 

なぜそんなに好きかとたずねられても根拠はなく、とにかく好きだからとしか言えない。

 (ちなみにお弁当も圧倒的にスパ/パスタなので、オーストラリア人の講師に「前世イタリア人、やーいやーい」とはやしたてられました。ほっとけ!! 

 

ホテルリッツは豪華で子供心にも素敵でした。

宮殿で過ごしてるような感じでした

昭和の子デフォルトの短いおかっぱヘアでうろうろしまくった私は不審な座敷わらしみたいだったと思いますが、

外人の子なので野放しにしてくれました、さすがリッツ!

 

(さまざまな歴史を目撃してきたホテル・リッツのドキュメンタリーです。)

 

食事をしにホテルのレストランに行ったのですが、メニューはなんだかわかりませんでした

 

 そこで普通の10歳の子供である私はとりあえず

「わたしスパゲティーナポリタン!」といいました。

 

 (こういうイメージですね、オレンジ色のこーいう系の↓)

 

すると予想外のことが始まったのです。まず、

 「あの白くて高い帽子」をかぶったコックさんみたいな人が

2人 でかいワゴンをおごそかに押してやってきました。

 

その人たちが私の前でぴたっととまり準備をはじめました。

ワゴンの上にはいろいろな料理の材料みたいなものが乗っています。

 コックさんたちは なんだろうと見ている私の前で、みごとに無駄のないエレガントな動きで、刻んだトマトをオリーブとかバジルとか非常にシンプルな材料で調理しはじめ、水蒸気がポワーとあがりました

 

目の前で、ゆでたてのスパにトマトをきざんだものが素早くあえられて、

オリーブオイルやバジルでかざりつけされ、私の前にしなやかに置かれました

 

父のとこには父が頼んだ料理が運ばれ 親子は食事をしはじめた

 

トマトの新鮮な香りが口いっぱいに広がり、私は…

「‥‥‥いつものとちがう…」と思いました

 

日本でいつも食べていたナポリタンはやったらベタベタと甘くてちょっとこげた風味が効いてました。

  ところがリッツのは、本物を目の前でカットしたトマトの味が全面的に効いていた。

それが日本のべたべた系甘いナポリタンを求めていた小学生にはアヴァンギャルドな味すぎたのです。

 

 私はフォークを口から水平に維持したままコックさんチームをチラ見しました

 

コックさんチームがそれとなく見張ってるのが目視で確認できた

 

(注:こちらはリッツ・カールトンという元祖リッツの名をかたった、もとい、基にしたアメリカの高級ホテルチェーンのおもてなしの本です)

 

このままヘタなリアクションをしたら、殺される

 

私はぱくぱくとすごい勢いでそのナポリタンをたいらげました。

 

大人になった今、味を想い出して分析すると今だったら絶対おいしいと思うし、なぜ味がわからないときにそんなものを食べる機会に出会ってしまって、味がわかる今そんなところに行ける機会もほとんどないのかと残念でなりません。

 

トマトとバジルはカットしたて。オリーブオイルの香り高く…

子供心に違和感抱きつつも覚えてるのは、あれほど想像と激しく違う味だったのに、

「何が何すぎる」っていうネガティブポイントがひとつもなかった。

油が多すぎる とか 酸味が強すぎる とか そういうのがなくて(私はすっぱいものが大の苦手なんです…なのに、ふしぎ…)

とてもきれいなものを食べさせてもらった感がありました。

 

タイムスリップしたら、また、パリのリッツ・ホテルに行ってみたいですね。

そして無知な子連れの親子の前に立ちふさがって、「どけ娘!そのナポリタンは私がもらう!」って言い放ちたいですね。

 

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今回はナポリタンついでに、現在、そんな猫井がナポリタンを作ってるときのリッツ風をめちゃくちゃテキトーにしたバージョンをご紹介します。

 

(一人前)そこそこいいオリーブオイル(ボスコで大丈夫です)大さじ1→刻んだ玉ねぎひとつかみ→きざんだトマトの缶詰(4分の1とかでOK)&めちゃくちゃいいあら塩ふたつまみ

の順にいためて、ゆでたスパにかけて、さらにオリーブオイルをちょっとだけたらして、軽くまぜるだけ。おいしいよ!

 

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フレンチの初歩とお菓子をホテル・リッツの料理人が教えてくれるかわいい本

 

スパゲッティの記事書いたら安易においしいスパも食べたくなったから 

 

 

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