ハギスはスコットランドの郷土料理です!!
「想像つかない…」
はい!wiki
(スコットランドのステキな食べ物や飲み物を紹介するサイトScotsmanFood&Drinkより)
…だけでは手抜きなので解説すると、
ハギスは、スコットランドの、食事もできるパブ(ガストロ・パブ)や、レストランで注文できる郷土料理です。
ハギスで検索すると、おいなりさんが巨大化したみたいな丸い形状のがごろごろ出てくる場合と、土砂のようなひき肉のようなボロボロした不定形の物質がお皿に乗ってるやつと、2パターンあり、混乱すると思いますが、
結論から言うと
丸いのは製造過程(作るとき具を胃袋に入れて蒸すので、その丸い袋ごと撮影した写真)
で、
不定形なのは食べる直前お皿に盛られてるやつ。です。
もともとスコットランドは、長く家畜として羊を飼っていて、毛織物に、肉に、と余すところなく利用してきました。
肉はおもに売られてお貴族さんたちが食べるためのモノなので、あまった食べられる部分を利用したご馳走を開発した結果、ハギスが誕生したと言われています。
あまりの部分…
そう、内臓ですね
あ!「俺、モツはちょっと…」
そう言ってPSYDOLLのギターが逃げていきました!
まぁいいや。これで今回のハギスはひとりじめね!!
ハギスのため弁解するならば、実はそれほど激しいモツ感はありません。
それは、内臓の中でも、ある部位をメインで使用しているから!(それがなにかは、後ほど!)
とりあえず、今回、いくつかの失敗を乗り越えて、自作ハギス作りに大成功したので、その製作法を記録する事にしました!
リアルな本場のハギスがあなたのおうちにやってくる!
わーパチパチパチパチパチパチパチパチ‼︎
ハギスは、ポテトと一緒に食べることが多いです。マッシュポテトが横にこんもり。とか、マッシュポテトをケーキ状に固めた土台をつくり、その上にハギスをきちっと乗っけて出す。というお店もあります。
しかし、
民族衣装を身にまといハギスにナイフ入刀なんて厳正な作法を決めている派閥もあるし、
何も考えずナイフとフォークでとりあえずもりもり食べまくるのも、
どっちもありなのがスコットランド。
フライドポテトとかハッシュドポテトの付け合せが好きな人は、それもあり。付け合わせとして、準備しておきましょう。
あと、マッシュド・ポテトでもいいです。
ご馳走感を出す場合は、ブイヨンとかコンソメスープを薄く溶かしたお湯とか牛乳で造るとこってりした感じのマッシュド・ポテトになるよ!
お好みの味のスープがあると、ごちそう感が高まりますね!
ハギスは、クリーム系スープとよく合います。
おすすめはマッシュルームとか、チキンでも…
あと粉系スープも、昔のは糊みたいでしたが最近のはおいしい!
(↑クノールはブランドとして定着しててちょい割高ですが、後発のポッカ↓のもけっこうおいしいよ!)
材料 5〜6人前
(ハンバーグもそうですが、猫井は一度に何回分か多めに作って冷凍してます。ハギスも同じく、ネタを作ったあと冷凍できるよ!)
オートミール カップ1〜1.2
熱湯 カップに70-80パーセントくらいの分量。
スープストック(マギーとか)2個
タマネギみじん切り 1個分
塩、少し(小さなスプーン3分の1〜4分の1)スープストックにも入ってるから少なめに
肉料理に合うスパイス(乾燥ガーリックの粉、ナツメグ、コショウ、タイム、ローズマリーとか。おもったより多目に使ったほうがそれっぽいです。特にローズマリーは、内臓の匂いと一騎打ちして調和するので、ぜひ入れてみてください。
めんどくさかったら、お肉全般に使えるスパイスソルトとか、↑BBQ用スパイスや、↓クレージーソルトみたいなハーブソルトでも↓
ただし、塩がすでに入っているものを使用する場合は、塩は不用…マギーにも塩、入ってるし…
今回は味見ができないので、少なめにしておいてくださいね。
そしてそして、内臓… … …
肺(フワ)肺一個分(肺はワンペアだけど、1個でOK!)
羊の肺を入手するのは牧場でないと難しいので、お肉専門店などで牛とか豚の肺を入手します。さすがに密林には肺おいてないなー…
近場の、モツが置いてありそうな感じのお肉屋さんを狙ってみてください。
「まるごと解体までやってます! ザ・ブッチャー」みたいなお店(いろんな部位の内臓も置いてあるようなお店)に聞いてみるのも、ありかと思います。
(東京都、中央線のやや西方に住んでる人! まんだらけが入ってる中野ブロードウェイの地下一階の肉屋さんに、肺、売ってるよ!!!)
肺を食した事ある方は知ってると思いますが、ふわふわ柔らかくて、レバー的な怪しい風味や不審ななめらか感はなく、スパイス次第でどうにでもなる良い素材。
みりんで甘くしたニンニク醤油ダレで煮たり(めんどくさい人はジンギスカンのタレで!)してもよいですが、
猫井の個人的意見としては、肺喰らうならハギスが最適!
(補足です。Wikiのハギスの項目には『ハギスに使われている内臓は、肝臓、心臓、腎臓』とありますが、現在スコットランドの工場でどんどん作られているハギスは、肺のみをつかっている模様。)
↑ここの段階で、「近所に内臓おいてある肉屋さん? 肺??? 無理…もういいや。」
って、一気にあきらめモードに入った人。 あきらめることなんてないです!!
牛のひき肉でやってください。
もともと、お肉は売り物なので売っちゃって、余った食べられる部分で作ってたのがハギスだって書きましたよね。
ってことは、そうあなたはそのお肉を買えるリッチな身分のかたなんです!!
ぜひお肉で作るラグジュアリーなハギスを体験してみてください!!!!
オートミールはこちら。
オートミールは、使ってある麦の種類によってベチャベチャのおかゆ状になりやすいのと麦の粒感がしっかり残るのと二通りあります。どっちかというと後者の方が今回のハギス作りには合うと思います 。これらは比較的粒巻あるやつ
さてっ実際のつくりかた…写真も貼りつつ進めますね
まず、肺をゆでます。
6分くらい煮たら、お湯は捨てて、フォークで突き刺してまな板に取り、ざく、ざく、ざく とめちゃくちゃ荒く切りさましておきます。突然みじん切りすると熱いから下準備のつもり。内臓臭が苦手な人は、二回くらいゆでては湯を捨て、をやってください。
ひき肉使用の場合、このプロセスは不要です。
次にボウルにマギー2個を入れ、カップ1よりはやや少ないくらい(70-80%くらい?)の熱湯で溶きます。
それにオートミールを投入。軽くかき混ぜなじませます。練らないでね。
オートミールがげんなりしている間にタマネギでもみじん切りしていましょう。 (涙が出る危険を避けたい人は、ゴーグルをするか、みじん切り冷凍タマネギを解凍して使用してくださいね。)
つづいて肺もみじん切りします。細かさはお好みで…荒さがあっても、ワイルドでよいと思います
写真は黒土ではなく、みじんとなった肺。
さて!材料をまとめます。
さっきマギー湯でげんなりさせたオートミール。それに、みじん切りした肺(挽肉の場合は、そのまま投入)とタマネギ、そしてスパイス、塩を入れ、さっくりさっくり混ぜ合わせます。練り練りしないでね。オートミールがぐちゃぐちゃになってしまうと粘りが出てしまうから。
くどいようですが、塩は慎重に…
BGMはスコットランドのバンドの音楽をかけましょう。間違えてイングランドのをかけると呪いにより苦くなります
(順に、90'sダンステクノ / 哀愁の90'sギターバンド / ダークウォーター耽美系 / 80'sおしゃれポップ などがあります…)
さて混ぜてる間に、おしゃべり
スコットランドは知名度そう高くない場所だし、イギリス全土の広さや人口で考えると、ほんとうに小さい地域なのですが、知ってる人は知ってるどころか熱く語りだしたら絶対止まらない的な国です。
スコッチウイスキーとか、フットボールチームとか、バグパイプとか、タータンチェックとか、入り口はみんな違うと思うのですが、猫井はバンドでイギリスに行くようになってから「イギリスってイングランドとスコットランド(と、ホントはウェールズもあります…)で成り立ってるんだ」というのが実感としてどんどんわかってきました。
いまはスコットランドも、イングランドも、まだ行ったことないけどウェールズも含めて、すべての町と各地の怪しいお友達が大好きですね…
…戻します
混ぜ終わったら、今回はこちらの兵器↓を使用します
料理用のゆでても大丈夫な袋なんだけど、これ、蒸し器とかボイルする際に使う動物の腸とか胃とか膀胱とかがないときに(あるかーい)めちゃくちゃ便利!
(本場ハギスは、羊の胃袋に入れて蒸します。ちなみに豚の膀胱を使って作るのはフランスのヴェッシーというご馳走だそうですが、そっちはぜんぜんわかりません…)
動物の内臓の袋が身近にある人はいいのですが、ぱぱっと出てこないときは、この兵器にさっき混ぜ合わせた材料を入れ、余分な空気を出して、しっかり口をしばり、
熱がちゃんと短時間で回るように袋の形を平べったく整えて
15分くらい弱火で煮ます グラグラグラ!!!
さて煮ている間に、またおしゃべり
スコットランドの民族衣装がスカートなのは有名な話ですが、マッシヴ・ガイな男性のスカート姿って、一見…というかちょっと考えには愉快に見えちゃうんじゃないかって思いませんか?
実は私、はじめてスコットランドでライブするまでは、そうでした。
だけどね…
黒系のクラシックメタル系のTシャツに、ワーク系のブーツ、金髪吹きっさらし系や、ラスタのようなワイルド系の髪型だと、
これがとってもカッコいいんですよ!
プリーツスカートって戦士の装束だったんですね!!
(ここのショップはモノはいいようですがめっちゃ遅いようなのでご注文の場合、注意してくださいね)
(これは猫井の海外ツアー心構帖です。海外進出の野望がある人はぜひ読んでね!)
…戻します
さぁ煮たものはどうなったかな …ドキドキ
ぅわヤッター!!!ホントにハギスできちゃった~!!!
ハーギース!ハーギース!ハーギース!
何度か直接鍋で煮て作ってみたのですが、水っぽいのはいまいちというか、モツ入りオートミール粥になってしまいダメでした (千之さんごめんなさい)
水分を控えめにして袋煮がいちばん良い出来になりました。ホコホコ崩れる感じがリアル。
ポテトを添えて…(あっスープもあっためといてください
あっためを忘れた場合は、よくできたマッシュルームのカップスープでも!)
すごく本場の感じに迫れました。スパイスの配分次第によっては、「これがうちのハギス」と言い張ることもできそうな!!
お酒をたしなむ人は、この機会にぜひスコッチウイスキーをどうぞ。
和食には日本酒。メキシカンにはテキーラ。ハギスにはウィスキーがセットなのではと推測されます。(猫井はアルコールが飲めないので、残念です…)
トップに貼った↓タリスカは、(飲めないケド)とても好きな風味です。
(潮の香りと言われてるんだけど、潮が香るかどうかはわからないですね…)
バランタインは誰が飲んでもくせなく良いスタンダード
BGMはスコットランド国歌のひとつ、勇敢なるスコットランド、バグパイプバージョンでもうおうちはエジンバラです!!!
あっ本物売ってるっ!!
おしまいに…
ほんとうのハギスの話:
ほんとうは、ハギスというのは、スコットランドの荒野や山地にだけ生息している珍獣です。
昨今こそ国の天然記念動物に指定され捕獲禁止になっていますが、その昔はハギス狩りなどが盛んで、近世までハイランド(スコットランド高地)の紳士たちのレジャーとされていました。
野生のハギスはその柔和な外見には似合わず獰猛で、格闘の末みごとしとめたハギスを用いて作られたハギス料理は、ハイランド戦士たちの勲章そのもの。
スコットランドの新宿と呼ばれるグラスゴー郊外に位置するケルビングローブ博物館には、世界に一体しか現存しないハギスの剥製が展示されています。
スコットランド観光局のビデオには、ハギスについての細かい解説と、貴重な動画が収録されています。
スコットランドにお越しの際は、草原に遠征して、ぜひ野生のハギスを探してみましょう。
(注:ハギス捕獲は固く禁止されており、違反者は10年以下の禁固刑となります。)
The Tale of the Wild Haggis: from first sight to Burns Night
じゃーねー!!!!!