思ったとおり…前回更新からいつの間にか月日がたっていた!
私、今生では、三人分の人生を過ごしています。
ひとつめは、注文に応じて絵を描き、セリフを考え、ついでによい子のみんなに絵の描き方を教える、絵かく者としての人生。この人生はものごころついた頃から流れが始まっていた。
ふたつめは漫画家、千之ナイフの女房としての人生。これは14歳の頃から開始。
それから三つ目の人生は、1999年から開始された、バンドやるアナーキストとしての人生で、これは当初たいしたことなかったが、だんだんだんだんと他の二つの人生を寝食し増大するようになってきて現在に至ります。2003年から年一回くらいのぺースでイギリスにツアーに行き続けてる、それが原因であるのは間違いなく…
(あっ、これ自慢のページでもなんでもないから! スーツケース修理のページだから!
だけどこれいちおー導入なので、もうちょっとだけこらえてください!!!)
歌謡インダストリアルバンドPSYDOLLの興行は地獄車です。
典型的なスケジュールを書いてみると。
金曜日 羽田空港からロンドン・ヒースロー空港へ。飛行機を乗り換えて国内線でスコットランド・グラスゴーへ。泊
土曜 グラスゴーでライブ。泊
日曜 ニューキャッスルに移動。ライブ。泊。
月曜 エジンバラに移動。ライブ。泊。
火曜 リーズに移動。ライブ。泊。
水曜 シェフィールドに移動。ライブ。泊。
木曜 ウィットチャーチに移動。ライブ。泊。
金曜 バーミンガムに移動。ライブ。泊。
土曜 ロンドンに移動。ライブ。泊。
(順番とか場所は毎回違います)
・・・・・狂っている
しかし、海外で演奏できるチャンスなんてそうめったにあるわけでもないと心に言い聞かせ、同じく狂っているギターucchiと一緒に回る回る。
スーツケースと楽器だけ抱え回る回る。
そんなことをしてるうちに、ついにスーツケースの車輪がぐちゃぐちゃになり死亡しました
(スーツケースがどれだけ過酷な目に逢って来たかをお伝えするため、ロンドンの古い地域の歩道を撮影してみました、こんなかんじです)
だけど直す費用が…
調べてみたらけっこう高くってね…
いっそ買い替えた方がいいようなお値段で…
でも買い替えなんて猫井にはさらに無理…かなしい
どうせ捨てるんだったら、その前に大手術…
というわけで、一大決心してだめもとでタイヤを車輪ごと総とっかえを試み、なんとかなったので、その記録です。
最初に断わっておきますが、素人作業なので完璧に元に戻るわけではありません。
しかしみごとに「もとのように使える」ようになり、その後も即売会とかツアーにバンバン活用しています。
また、最初のお断りとして、「車軸の代用として使用する六角穴付ボルト」が長すぎた場合、私のように常にブーツやロングタイプのスニーカーを着用していないと、余って出っ張った車軸が足元にぶつかって危険なので、ここはご注意ください。
それではまず、猫井が描いたイラストをごらんください。
簡単に書くとこんなかんじです。
ねっ、なんとかできそうでしょ!? (^ ^)v
実践の記録です。材料を紹介しながら、順次みていきましょう。
ホームセンターとかでも揃うとおもいます。
東急ハンズはこういう時頼りになるな~。
写真解説
下。タイヤ( 台車用タイヤとか、スーツケース用のタイヤで探してみてください。スーツケースのタイヤと同じ直径のものを選びます。穴の径と六角穴付ボルトの棒の太さを確認しつつ購入。 )
上段の中央、六角穴付ボルト。長い芯で、端にねじミゾがあるもの。これをタイヤの芯棒代わりに利用します。
右上は六角穴付ボルトに止めるためのゆるみ止めナット。
左上は大事な秘密兵器、ステンナイロンナット。これはなにかというと、ふつうのナットの中に、ナイロンの樹脂が入っていて、ぎっちりと閉まるようにできていて丈夫。右上のたるみ止めナットを強化したものだと思ってください。最初に貼った、猫井の手描きイラストの一番右下に描いたのがそれです。緑色の部分がナイロン樹脂の部分。(現物のナイロン部分は白色)
それから、工具。ナットを固定するスパナと、レンチ。いずれもナットたちのサイズを確認しつつ購入。
最近は百均でもたくさん工具売ってますよね!
アマゾンのは少し値ははりますが、全サイズ対応だから一生使えるね。
非常時には一本づつ投げれば、手裏剣並の破壊力。
E-Value 六角棒レンチセット ミリ 1.5・2・2.5・3・4・5・6・8・10mm 9本組 ELHW09NL
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あそれから、武器を手にしてください。
金属切断用のカナノコ。こういうやつです
スーツケースの脚を取り替える作業は、最初のプロセスがいちばん大変でした。
ダメになったタイヤの車軸を、カナノコで切断します。
スーツケースのタイヤが回ってしまうと、車軸も回っちゃって危険だし切れないので、
なにかダンボールのかけらなどをがっちりと隙間に詰めて固定しながら、がりがりと切断していきます。
この作業は腕が死にました。 体力ない人は、最初から力じまんの人に頼んだほうがいいです。
あまりにがんばりすぎて写真を撮るのさえ忘れてしまうほどでした(言い訳です)
切断できたら、車軸をひっこ抜くと、このような脚だけとなり、あとはタイヤをはめるだけです。やっほぉぉぉぉぉぉい。
こんなふうにタイヤをはさみこんで、新たな車軸となる六角穴付ボルトを通します。
ボルトの先をナットで止めていきます。片手でステンキャップ(棒)の頭を、まわらないようにがっちりとレンチで固定。
もう片方の手で、ナットをスパナでくるくると回しつつはめていく。
(私は半左利きなので、左右逆のほうが便利な人はそっちでやってください)
私のトランクには、購入した六角穴付ボルトが長すぎて、ちょっと余ってしまいました。
カナノコが得意な人は、ステンキャップじたいを切断してもいいかもしれないけど、私はもう金属切断はこりごりなので、長いままで使用することにしました。
ボルトの余った部分にこれでもかこれでもかとナットをとめていきます。
ここで、ぜひともステンナイロンナットを使ってください。ほんとうに外れにくくなります。
「ステンナイロンナット高いからケチりたい」という人は、せめてラストの一個はステンナイロンナットにしてください。
もう絶対外れないようにとの念も込め、余った芯がなくなるまでナットをとめまくりました。結局、三個くらいとめた段階で落ち着きました。
ナット三兄弟~( なつかし )
タイヤからやや棒状のものが飛び出ている形状となりましたが、私は基本万年ブーツなので多少のぶつかりはへいちゃらです。
で、イギリスのツアーも、即売会も、バンバンこの修理したスーツケースで続けてますが、ナット丈夫だよ~。ビックサイトも有楽町も、エジンバラとかロンドンの石畳も、へいちゃらでゴロンゴロンころがしてます。
ステンナイロンナットすごい!! ステンナイロンナット最高!! 大好き!!!!!!
スーツケースのタイヤが磨り減ってて時間と体力があって工作が好きな人はやってみてね。
(ここで紹介している技は、完全な修理を保証するものではありません。
修理は自分の責任で行ってください。あとカナノコは形のわりに歯が尖ってて危険なので気をつけてくださいね。)
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今回のスポンサーは私のバンドPSYDOLLの、トランクの足の車軸切るときに命がけになってるときのBGM…ゾンビとの闘いを唄った歌です←いいわけ
(Spotifyにもあるので聴いてね!)